FC2ブログ
ADMIN TITLE LIST
『記憶による罰の効果』 ―――と題して新聞広告にて募集された、とある実験の被験者。
年齢や性別ももちろん考慮され、はば広い層から集められた被験者たち。
集めた彼らのうち、適当に選ばれたごく少数を【生徒役】とし、残りを【教師役】とする。

実験室において。
・【教師役】は、実験データを記録する科学者と同じ空間にいて、椅子に座って机に向かう。その机の上には、電気ショックを流すことのできる装置が置かれている。
・【生徒役】は、ガラスの壁で区切られた隣の部屋にいる。椅子に座り、両手首には電気ショックの装置から伸びたコードに繋がる枷がはめられている。

【教師】が装置のボタンを押せば、【生徒】の身体に電気ショックが流れる。
なお装置には20個ほどボタンがあり、最大450Vまで20段階ほど電流の強さが分けられている。



実験開始。

【教師】の机には数十枚のカードがあり、それには短いキーワードが書かれている。例えば、「青い箱」、「鋭いナイフ」、「野生の兎」...など。
【教師】はカードを取り、それに書かれているキーワードを【生徒】に読み上げて聞かせる。
全てのカードを読み上げ終えた後、また最初のカードに戻って同じようにキーワードを読み上げていくのだが…。。今度は前半部分しか言わない。そして後半は、【生徒】に記憶を頼りに答えさせる。
 教「青い…」
 生「箱。」  ...というように。

【生徒】が間違えたら、【教師】は装置のボタンを押し、【生徒】に、電気ショックという罰を与える。その強さは、間違えるたびに一段階ずつ強くしていかなくてはならない。

【生徒】が上げる悲鳴、絶叫、苦悶の表情や怯える様子は、ガラス壁を通して充分に観察することができる。
…それを見て、もし耐え切れなくなったらギブアップをしてもいい、という権利が【教師】には与えられている。ただし【生徒】にギブアップの権利はない。
だが…。
ギブアップしようとすると、すかさず慌てて科学者から慰めの言葉がかけられる。
「なんとか、もうちょっとだけ実験を続けてください…。大丈夫、大丈夫ですから。それに、この実験のデータが、世間のための研究に繋がるんですよ…!」 といった具合に。

それならば… と渋々ながらも再開させる【教師】がほとんどで…。

一ターンが終わったら、今度はカードの並びを変えて、またひと通り読み聞かせ、次に後半を当てさせていく... ということを何ターンも繰り返していく。



『記憶による罰の効果』

電気ショックという罰を受けたくない【生徒】は、その必死さから…
ターンを重ねていくたびに、自ずと記憶能力を格段にアップさせていくのではないだろうか。
―――という仮説が公言され、行われた実験であった。
無論、被験者たちの誰しもがその目的を思って実験に臨んでいた。…【生徒役】には可哀想ということになるのだが。。


しかし!

実はこの実験、広告に掲げていたのとは全く違う…別の目的があったのだ。
その、真の目的とは。。


『人は命令に従って、どこまで残酷な行為が可能なのか。』


しかもしかもしかも…!
どのボタンを押そうとも、実は電気ショックは流れないのだ!!
そのうえ、【生徒】は科学者とグルであり、【教師】がどの強さのボタンを押したらこういう反応をしろ、ということをあらかじめ言われている。キーワード当ての時点でもわざと間違えるように、とも…。

つまり。
本当に試されていたのは【教師役】の人間だった、ということ。

実験主催者の科学者は、単に実験データをとるだけでなく、本当の意味での試し役だったのだ。【教師】がギブアップしようとした時にかけた慰めの言葉が、【教師】にとって従うべき命令であったといえる。


一体どれほどの【教師役】の人間が、【生徒役】の苦痛に歪める顔と悲鳴をあげる様子を横目に見ながらも、電流の強さMAXのボタンを押せたのだろうか。
仮説では、100人中3人…まぁせいぜい3%ぐらいだろう、という割と控えめな予測が立てられていた。
…だが、実際はこの仮説を大いに上回り、なんと!

62% という恐ろしい数字を叩き出したという。



すべては、科学者の放ったあの言葉。
「世間のための研究に繋がるんですよ。」 
この言葉が生み出した命令の正当化というものが、人に、電流MAXのボタンを押させるという残虐行為を行わすことを可能としたのだ。

なお、この実験は『アイヒマン実験』という名称がある。

アイヒマンとは…
ヒトラーのユダヤ人虐殺計画の、実行部の最高司令官の名前である。
スポンサーサイト







これ前にどっかで聞いたことある!
こういうの聞くと人間って怖いよね。
でも自分もその人間なんだよなぁ…
この実験なら自分はすぐギブアップする自信があるけど、他の方法で試された時もしかしたら違う行動起こすかもなぁ…たとえば、未來君に命令されたとかね(笑えない
んー…常に恥ずかしくない行動をしたいものだねぇ…
【2006/10/13 01:55】 URL | ゆき #-[ 編集]

アイヒマン実験。社会学の時間に聴いたお話でした。(´∀`)
なんだか面白かったから、眠いのに寝ずに最後まで聴いてた奇跡…。(笑) 強く印象に残った話だったから投稿してみたケド、知ってる人結構いるのかな~?

私も、必ずしもとは言い切れないなぁ。。
コワイし…危うい存在だよね、人間って本当に。
【2006/10/13 23:00】 URL | Kyon #XFzQd7aY[ 編集]















管理者にだけ表示を許可する



| HOME |

Design by mi104c.
Copyright © 2019 Mr.Dreamer, All rights reserved.